認定認知症領域検査技師
認知症予防学会の目的
認知症は、一度発達した認知機能が後天的な障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障を来すようになった状態をいいます。近年になり認知症に対する社会資本や治療薬などが整って来ましたが、医療、福祉、行政の連携が十分でなく患者および患者家族の苦悩が軽減されていません。日本認知症予防学会は、この状況を改善するため認知症に携わる多職種が予防の観点からの認知症対策を考え、認知症への理解を深めて日常生活のあらゆる場を通して第1次予防の疾患の発症予防のみではなく、第2次予防として疾患の早期発見・早期治療および第3次予防として疾患の再発予防・進行防止を目指します。
認定認知症領域検査技師の役割
臨床検査の知識・技能によって日本認知症予防学会の目的を果たします。すなわち、臨床検査による全身状態の把握は、認知症を引き起こす様々な病態を判断するために必要と考えられることから、認知症に関する専門知識を備えた臨床検査技師は、認知症の第1次予防、第2次予防、第3次予防を行うために、全ての医療職種と連携を図る役割を担います。
認定認知症領域検査技師に求められること
正確な臨床検査を実施するためには患者の協力が不可欠であることから、臨床検査技師による採血や生理学的検査の際に、検査の目的や内容などを患者へ説明します。特に患者が認知症の場合は、病態を理解した臨床検査技師が対応することで患者および家族の不安の軽減と正確な検査の実施ができると思います。
臨床検査に関する専門性を生かして認知症の診断および治療を行うチーム医療の一員となって、認知症に関する情報提供を行います。
認定認知症領域検査技師の認定試験について
認定認知症領域検査技師の認定試験および資格更新は、日本認知症予防学会(以下、予防学会と略)と一般社団法人日本臨床衛生検査技師会(以下、日臨技と略)の共同事業と致します。受験および資格更新の手続きは、日臨技のホームページ(認定認知症領域検査技師 | 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 (jamt.or.jp) )の日臨技認定センター資格情報に掲載されている認定認知症領域検査技師の項を参照してください。